ISA バス用のボードとしては、fe ドライバは、 以下のようなものに対応しています。 (詳細についてはこちらのリストを参照してください。)
ここでは、富士通が FMV パソコン用として販売している Ethernet カードのうち FMV-181 から FMV-184 までの製品名のものを FMV-180 シリーズと呼びます。 これらのボードは全て fe ドライバが対応します。
FMV-183 と FMV-184 は、ボードに添付されるセットアップユーティリティ (MS-DOS アプリケーションとして動作するもの) によって、 PnP モードとレガシーモード (non-PnP) を切り替えられるようになっています。 fe ドライバで使用する場合には、レガシーモードに設定する必要があります。 (レガシーモードに切り替えると、Windows 95 等の FMV-183/4 ドライバでは、 カードが認識されなくなってしまいます。 同じマシンで Windows 95 と FreeBSD を切り替えて使用する場合には、 Windows 95 では FMV-181/2 用のドライバを使うと、 認識させることができ、正常に動作します。)
FMV-183 には、バリエーションとして、 一部の FMV パソコンのマザーボードに (ドーターボードとして) 組みこまれたものがあります。 FMV パソコンのカタログ等では、 これは、「FMV-183 相当 LAN インターフェース」 という表現になっています。 fe ドライバは、このタイプにも対応しています。
なお、富士通には、FMV-186、FMV-186A、FMV-188 という名前の LAN カードもあります。 これらは、インテルの i82557 を搭載した 100M イーサボードであり、 ここで FMV-180 シリーズと呼んでいるものとはアーキテクチャが全く異なり、 fe ドライバでは動作しません。 FMV-186、FMV-186A、FMV-188 は、FreeBSD では fxp ドライバが対応しています。
アライドテレシスの RE2000 シリーズには、 サポートされるメディアの違いによって RE2001/RE2003/RE2005/RE2009 という 4 種類の製品があります。 実は最後の桁は、ビット毎のフラグになっていて、 各ビットが以下のようにサポートメディアを直接表現しているのだそうです。
1 | 10baseT (RJ45) |
2 | 10base2 (BNC) |
4 | 10base5 (AUI) |
8 | 10baseFL (FOIRL) |
また、各モデルには Plus というバリエーションもあります。 これは選択できる割り込み (IRQ) の違いのようです。
アライドテレシスは、北米では Allied-Telesyn として営業を行なっています。 AT1700 シリーズは、 Allied-Telesyn として主に北米で販売された (らしい) イーサネットカードです。 RE2000 シリーズと AT1700 シリーズの間には、 比較的はっきりとした対応があり、 両者はおおよそ同一のハードウェアと思われます。 (実際、fe ドライバは RE2000 シリーズと AT1700 シリーズの区別をしていません。) 以下に、RE2000 シリーズと AT1700 シリーズの対応を示します。
RE2001 | AT1700T |
RE2003 | AT1700BT |
RE2005 | AT1700AT |
RE2009 | AT1700FT |
しかしながら、両者を同一のハードとすることに若干の疑問もあります。 そのうちで最大のものは、 RE2000 シリーズは選択できる IRQ が 4 種類であるのに対して、 AT1700 では IRQ が 8 種類選択できるらしいことです。
Gateway Communications 社は G/Ether シリーズという名称で、 何機種かのイーサネットカードを販売していたようです。 いくつかのモデルはナショナルセミコンダクタのチップを搭載し、 別のいくつかは富士通の MB86960A を搭載していた模様です。
Gateway Communications 社は、94 年頃(?) に Microdyne 社に買収され、 G/Ether シリーズは製造中止になった模様です。 その後 Microdyne 社は、 既存顧客に対するサポートを含めて PC LAN ビジネスを完全に中止しました。 現在では、G/Ether シリーズに関する情報を入手することは難しくなっています。
G/Ether シリーズは FreeBSD 3.1 以降で対応しています。
UB ネットワーク社の Access/PC ISA シリーズには、 AUI (10base5) と RJ45 (10baseT) のインターフェースを持った PC85552 という機種と、 AUI (10base5) と BNC (10base2) のインターフェースを持った PC85542 という機種の、 2 種類があったようです。
UB Networks KK には、他に、 Access/PC AX という製品が存在したようですが、 こちらは fe では対応できないことがわかりました。
なお、UB ネットワーク社は、何度か会社組織が変更になっているようです。 当初は米国 Ungermann-Bass 社の日本法人として 日本アンガマンバスという名称であったようですが、 Ungermann-Bass 社が UB Networks 社に改組した時点で UB ネットワーク社になったようです。 現在は、UB ネットワーク社としての活動は行なっていないようです。
TDK/LANX には、いくつかの異なる構成の Ethernet カードがあります。
TDK/LANX の Ethernet カードを利用するためには、 FreeBSD 3.1 以降が必要です。
LAK-AX031 は ISA PnP 仕様のボードです。 現在の fe は、PnP には対応していないため、 LAK-AX031 を利用するためには、BIOS によってカードが enable され、かつ、 BIOS によって割当てられる I/O ポートアドレスと IRQ 番号を、 カーネル中に固定的に指定しておかなければなりません。
ICL が、主として西欧で販売していたカードです。 シリーズにはモデルが何種類かあるようですが、 詳しいことはわかりません。
EtherTeam16i/COMBO というカードは、 MB86960 系の NIC を使ったものにしてはめずらしく、 RJ45/BNC/AUI の 3 系統のインターフェースを備えています。
EtherTeam16i シリーズには FreeBSD 3.1 以降が必要です。
ラトックシステムは PC カードで有名ですが、 以前は ISA 用のボードも販売していました。 REX-5586 と REX-5587 は、 ラトック社の ISA 用の Ethernet カードの中で最後の世代にあたるものです。
REX-5586 と REX-5587 では、使用する IRQ の設定に、 ソフトウェアによる設定ツールとボード上のジャンパピンを併用する、 ユニークな方法を採用しています。
REX-5586 と REX-5587 を使用するためには FreeBSD 3.1 以降が必要です。